アドバイスの質
人と関わるときにアドバイスは重要だ。先輩として積み重ねてきた経験から、正解を導くための助言が後進を育てる。一方、人からもらったアドバイスによって問題解決への糸口が見つかりさらに自分の経験値が増える。
ベテランになってくると求められてもいないのに、つい口をはさんでしまうことはないか立ち止まるようにしている。
「アドバイス」の意味:助言や忠告、相手のためになるように、よりよい方向へ導くための言葉をかけることを指す、または私的な助言、なども出てくる
よかれと思って相手がケガをしないように先回りをする言葉かけはアドバイスではないし、自分の立場を守るための誘導もアドバイスとは程遠い。かつてゴルフをしていた時に「教え魔」なる人たちに遭遇したことがある。まさにこれがアドバイスの名を借りた、頼まれもしないのに自分の知識ややり方を押し付けてくる人たち。自分軸で教えたい、武勇伝をただ語りたい、相手のプロセスや背景を慮ることができない言葉はアドバイスではないのだ。
人の努力に横槍を入れる、成長の機会を奪う助言は要らない。その人が大切にしているものや価値観に関心を持ち、敬意を払ってアドバイスする。自分のアドバイスには大きな責任が伴う。
本当に相手の成長を願うのであれば、耳の痛くなるような忠告もある。その先に相手が自分で考え、自分の足で立って歩けるように導くことだ。社会人の娘にも「教え魔」の私がチラ見えするので自戒をこめて。時には、助けを求められるまで粘り強く伴走し、後ろから見守る忍耐力が必要だと考える。人を育てるというには、まさに自分を育てること。過干渉だと気づいたら、アドバイスしたくなる自分の口をつぐむこともお奨めしたい。上司、先輩、講師やインストラクターはアドバイスに責任を持つ。アドバイスの内容で自分の質が量られている。
反対に経験が浅い、初心者の場合はもらったアドバイスはしっかり受け止めて、行動に移してみることも大切。やってみてわかること、できないこと、自分なりのアレンジが必ず見えてくる。
持ちつ持たれつ、アドバイスから始まる発展的なコミュニケーションの質を高めていこう。お互いの成長は加速する。