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また逢いたくなる人

自分の話は3割でいい

相手に関心を持って話を引き出す。これがなかなか難しい。若いころ、クライアントとの会食で自分のことをベラベラと話し続け、後で上司にこっぴどく叱られたことがある。クライアントから優しく私の特技や経歴を訊ねられ、すっかり乗せられて気持ちよく話してしまった苦い経験。私自身は自分の話を聞いてくれるクライアントのことをとても好きになったが、先方の気遣いや配慮に気付けなかった。それどころか蓋を開けたら、自分はクライアントの情報を何一つ得られることなく次の機会を失い、また逢いたい人にはなれなかった。

次に逢えるチャンス。また逢いたくなる人はどんな人かを考える。有益な情報を届けることも、もちろん大切だがまずは話を聞く。相手が使う言葉を受け止めて復唱し、インタビューするみたいに興味を持って質問する。目安は過ごした時間の7割、相手が話す時間をこちらが作る。自分の話は3割に留める。自分の話を聞いてくれたことで、相手はきっと心地よいし、自分のことをわかってくれていると感じる。また話しすぎたかもしれないと感じて、今度は反対に話を聞いてくれるかもしれない。

うなずき、あいづちを打ち、時には身を乗り出し、相手の言葉を受け止める。言葉足らずを不安に思う人こそ、丁寧に話を受け止める態度は相手にじわりと届く。自分の話は3割程度で十分だ。

意見や考えを求められる世代になりつつあるこの頃、改めて相手の話を聞くことに集中したい。